もふもふ 〜白い直方体の恐怖〜

作 結城
そう、あれは忘れもしない小学五年生の蒸し暑い、夏の日の出来事でした。
その日、僕は新発売されたソフトを、友達よりも早くクリアするために、夜遅くまでゲームをしていたんです。

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ピコピコ

「えいっ、えいっ!!」

う〜、このア−マードゴブリン強い〜。でも、明日までにワーキャットを倒してたかし君に自慢してやるんだ!

「もう、早く寝なさい!!あんまり夜更かししているともふもふが出るわよ!!」

ぼくがゲームをしていると、ママはいつものようにぼくを脅かした。

ふふん、でもぼくは知ってるんだ。本当はもふもふなんていないことを。

「いいもん、お化けなんて怖くないもん」

ぼくはテレビに目を向けたまま、ママに言う。

「もう・・・早く寝なさい。ママはもう寝ますからね!!」

そう言うとママは部屋を出て行った。

それからしばらく、ぼくはスライムやゴブリンを倒して勇者をレベルアップさせてようやくアーマドゴブリンを倒せるようになった。

「ふあ〜、そろそろ寝ようかな」

時計を見たらもう十一時を過ぎていた。ぼくは目をこすりながら自分の部屋に行って、布団に入る。

「おやすみなさ〜い。ふふ、明日たかし君に自慢してやろ!」

ぼくは明かりを消して目を瞑った。

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・・・・・・・・・

う〜、眠れない!

ずっとゲームをしてたからなのか、ベッドに入ってもぼくは全然眠くならない。
っていうか逆に目が覚めてきちゃった。

「どうしよう・・・今ゲームするとままに怒られるし・・・」

ぼくが一人で悩んでいると、急に廊下のほうから音がしてきた。

ぴちゃ・・・。

それは、水の落ちるような音だった。

びくっ!

「う〜〜、気のせい、気のせい。」

ぼくは怖くなって布団を頭からかぶると、ぎゅっと目をつぶった。

そうだよ、きっと水が漏れてるだけだよ。ぼくは自分にそう言い聞かせてそのことを忘れようとした。

ぴちゃ、ぴちゃ・・・。

でも、一時になりだすと音はどんどんはっきりと聞こえてくるようになった。
その音はだんだんと大きくなって廊下から響いてくる。

「き、気のせいだってば!!」

ぼくは大声で叫んで両手で耳をふさぐ。

ぴちゃり、ぴちゃり・・・。

それでもその音は聞こえて、廊下から近づいてきた。そして、ちょうどぼくの部屋の前で止まった。
これって、もしかして・・・もふ、もふ?

(悪い子のところにはもふもふが来るのよ!!)

ママの言っていた言葉を思い出す。
う、うそだもん!もふもふなんていないもん!!
ぼくの心の中でもふもふが来てぼくを食べちゃう姿が浮かんだ。

がちゃ!

ぼくの部屋のドアが開いて、何かが入ってきた。ぼくは起きてることがばれないように寝息を立てた。

「すぅ・・・す、すぅぅ・・・」

もぞもぞ、ぼふ!

そうしていると何かがぼくの布団の上に乗ってきた。

や、やっぱりこれってもふもふ?!
ぼく、ど、どうなっちゃうの?!ぼくはベッドから飛び起きて逃げ出したかったけど、怖くて体が動かなかった。
恐る恐る目を開けると、ベッドの上には白い物体が乗っていた。
あれ、これって・・・とー、ふ?もふもふってとーふだったの??

「もっふぅっ!」

もふもふは怖くて動けないぼくに飛び掛ってきた!

「うわぁぁ〜〜〜っ!!!」

もふもふは、ぼくのパンツを脱がしてもふもふしてきた。

「あぁっ!!もふもふしちゃだめぇ〜〜っ!!!」

もふもふ

「うわぁ!!」

もふもふもふっ!

「やぁ!!」

「もふぅ!!」

もふふ

「ふわぁっ!」

もふももふっ!!

「やだぁっ!!」

もふもふぅ!!

「あっ!あっ!!」

「もっふっふ」

「あっ、くぅぅ〜〜!!」

もっふ、もっふ

「うっ、くぁっ!!」

もふふふっ!!

「だめっ!だめぇ〜っ!!」

「もふもふもふぅっ!!」

もふ、も〜〜ふっ!!

「もっふっふ!!!」

もふもふもふもふもふもふもふもふ・・・・・・・・・

「も〜ふっ!!」

「やだっ!もふ・・・しちゃっ・・・・・・!!」

もふぅっ!もふぅっ!!

「や、も、もう・・・・・」

もふ〜〜〜〜〜〜っっ!!!!

「ああああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」

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・・・その後の事はよく覚えていません。
朝、私が気づいたときにはもふもふは居なくなって、枕元に「ごちそうさま」と書かれた紙がおいてあり、布団の中を見てみると私のパンツが脱がされていたのです。
皆さんも妖怪もふもふには気をつけてください。
おわり

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